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ソシュールを読む (講談社学術文庫)
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ソシュールの行ったことはエピステモロジーでありました。これから読んでいく原資料のいたるところに科学批判的言説が見出されますが、ソシュールはのちにフッサールE. Husserl(ドイツの哲学者。一八五九~一九三八) が感じとった危機、十九世紀における学問状況のアポリアを非常に敏感に感じとった人でした。もちろんこうした先駆者はソシュールひとりではありません。生れた順序に申しますならばマルクスK. Marx(一八一八~八三)、ニーチェF. Nietzsche(一八四四~一九〇〇)、そしてフロイト(一八五六~一九三九)。フロイトはソシュールよりも一つ年上です。 十九世紀パラダイムの変革 私はこの四人にかなり共通点を見ております。それは、経済学批判者としてのマルクス、哲学批判者としてのニーチェ、心理...
たとえば、数学という枠の中で得られた知見、物理学の知識、心理学の実験データ等々と、それぞれの既成の枠組み内での成果をいわば持ち寄って交換し、また自らの研究分野に戻っていく。そういう学際的研究のあり方そのものがおかしいという、既成の枠自体への批判から出発する脱領域的営為としての記号学は、実はエピステモロジーを通してはじめて生れてくるものなのです。
近代ヨーロッパの只中にあっての〈近代西欧知〉批判、これは大変困難なことだと思います。私どもがどっぷりと浸かっております日本の文化の中で日本の文化そのものを批判するということがまことに難しいのと同じです。私たちの側からヨーロッパ批判はできるかもしれません。またヨーロッパの側からのアジア文化批判なり解明なりは、かえって楽かも知れません。この問題は、自らの文化を時・空の次元で徹底的に相対化せねばならない、
文化のフェティシズム〉の解明と乗り超えに、ソシュールの提起した記号学という装置が有効に働くと考えるからにほかなりません。
奇妙な事実として、『講義』のもとになっている三回の一般言語学講義のうち、一回として完結した講義はないということを指摘したいと思います。三回が三回とも、未完なのです。
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