Top Highlights

• 　……幹也はいつも人の心の 在り方を心配する。
• けれどそんな 特徴 よりも、自分が何より魅了されたのは式の目だった。目付きは鋭いのに静やかな 瞳 と細い眉。何か、僕らには見えない物を見据えているその在り方が、自分にとっての両儀式という人物のすべてだった。
• 　─── 病 い、 病気、 病的。 　何もかも、明かりのない家も明かりのあるコンビニも、気を許せば 咳き込んで崩れ落ちるような感じ。 　そんな中、月光は青々と夜を浮き彫りにする。 　全てが麻酔されたこの世界、月だけが生きているようで、ひどく、目が痛む。
• 生まれたばかりの赤子と同じ。何も知らないし、何も得ていない。けれど十七年という記憶が、私を一人の完成した人間たらしめている。
• 彼女は僕についてこようとしなければ、もっと優雅に飛べたのではないか。 　そう、浮遊するように羽ばたくのなら、もっと長く飛べていたはずだ。 　けれど飛ぶという事を知っていた蝶は、浮遊する自身の軽さに耐えられなかった。 　だから飛んだ。浮くのをやめて。