Home
My Highlights
Discover
Sign up
Read on Amazon
ドン・キホーテ 後篇一 (岩波文庫)
www.amazon.co.jp/dp/B00QT9X87I
Import Your Kindle Highlights to Glasp Today 📚
Top Highlights
「それはたしかです」と、サンソンが応えた。「しかし、詩人として書くのと歴史家として書くのとでは、おのずから違いがあるんです。詩人は事柄をあるがままにではなく、こうあれかしと述べたり歌ったりすることができます。これに対して歴史家は、こうあれかしではなく、事柄が実際に生起したままを、真実に何ひとつ付け加えたり省いたりすることなく書かねばならないのですから。」
「ずるい男じゃのう、サンチョ」と、ドン・キホーテが応えた。「何か覚えておきたいことがあると、お前の記憶力は決して衰えることがないのだから。」
だが、それよりも何よりも、御主人に言っておきたいのは、もしこれからまたおいらを従えていきなさるなら、 戦 や争いごとは御主人が一手に引き受け、おいらは着る物や食べる物など、御主人の身のまわりの世話をするだけで、ほかのことは何ひとつする義務はねえという条件づきにしてもらいたいってことなんだ。そりゃ、身のまわりの世話だったら、御主人の満足のいくように精一杯やりますよ。
おいらはね、サンソンさん、勇者の誉れなんぞ欲しかねえ、欲しいのはかつて遍歴の騎士に仕えた最も忠実で善良な従士という名誉ですよ。
「でも、気をつけるんだよ、サンチョ」と、サンソンが言った。「職務は人の習慣を変えてしまうからね。だからあんたも支配者になったら、あんたを生んでくれたお袋さんの顔さえ分からない*、なんてことになりかねないんだ。」
Share This Book 📚
Ready to highlight and find good content?
Glasp is a social web highlighter that people can highlight and organize quotes and thoughts from the web, and access other like-minded people’s learning.
Start Highlighting