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• 不正に憤るのは間違いじゃないのだから。ただ、その憤りが判断によるものか感情によるものかは自分自身で吟味しなきゃあね。感情から生まれるものは大抵長続きしない。長続きしないものを信用するのは危険。でもまあ、正義感自体が元来子供っぽい感情なのだけれど」
• 「正義というのはね、困っている人を助けること、飢えている人に自分のパンを分け与えること。定義なんてそれで充分」
• 「若いことはそれだけで価値のあることなのだけれどね、生きていくためには賢さも冷静さも必要になる。年寄りの 繰言 には、そういう知恵がこれでもかというくらい詰まっているから聞かなきゃ損よお」
• 「物心つく頃からその人なりの行動規範というものは自然にあってね。その自分の規範と世間の良識を擦り合わせていく作業を成長というの」
• そういう懐の深さが刺々しい反発心を収めてしまう。老練というのは、きっとこういうことをいうのだろう。相手を理解するというのはこういうことなのだろう。 　理解されているという前提があるから、最後には角を引っ込めて笑い合える。笑い合えることで叱責が心の財産になっていく。