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合本 翔ぶが如く(一)~(十)【文春e-Books】
www.amazon.co.jp/dp/B00PVUMQN8
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「おのれの 好悪 の情を他人に 喋々 するのは男子の事ではあるまい。
「三河武士は無学にして天下をとり、三百年の泰平の基礎をつくりあげた。私は三河武士の 末裔 であり、いまからわれらが 為そうとしていることは、慶長・元和 のむかしに草深い三河から出てきた武士たちがなしとげたこととかわらない。いまわれらはフランス国の首府にあってこの国の言葉を解しないのは一見不幸に似ているが、しかし枝葉にすぎぬ。われらは、活眼さえあればこの国の文明を見ることができ、その文明を作っている法を察することができる。要は武士たるか武士たらざるかがあるのみ」
「建国の大業は、議論弁舌でもゆかぬ。やりくり算段でもゆかぬ。 虚喝 でも不可。まして権謀術数ではどうにもならず、着実なる実務の積みかさね以外に方法はない」
長州が幕末の対幕戦の過程において藩内の封建秩序を大きく変動させてしまっていたことである。奇兵隊ほか庶民軍が出現し、それが藩の運命をにぎるという 未曾有 の事態が出現した。士族階級のほうがむしろ元気がなく、保守側にまわり、庶民軍に圧倒された。要するに士農工商という階級制の絶対性がくずれ、明治社会の原形ともいうべき「国民」のごときものが、長州では幕末に出現していたのである。
薩長の士は、佐賀人とは政治体験がちがっていた。個々に革命の血風のなかをくぐってきて、「才略や機鋒のするどさだけでは仲間も動かせず、世の中も動かせない」ということを知るにいたっている。むしろなまなかな才人や策士は革命運動の過程で幕吏の目標にされて殺されるか、そうでなければ仲間の疑惑をうけて殺された。たとえば幕末に登場する志士たちのなかで出羽の清河八郎、越後の本間精一郎、長州の長井雅楽、おなじく赤根武人といった連中は、生きて維新を見ることができたどの元勲よりも頭脳が鋭敏であり、機略に 長け、 稀代 といっていい才物たちであったが、しかしそれらはことごとく仲間のために殺された。
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