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• コーチという言葉は、一六世紀に生まれました。語源は「自家用馬車」です。 　馬車は乗っている人を行きたいところへ運んでくれます。そこで、一九世紀になってからイギリスの学生が「家庭教師」のことをコーチと呼ぶようになりました。生徒を「相手に合わせて個別に指導し、その人の学習目標を達成させる」のですから、まさに馬車（コーチ）は教師に通じるものであったわけです。
• ここでは、スポーツ界の指導者の方法を参考にコーチングを考えてきました。優れた人材育成を行なう人に共通しているのは、動くのは「選手（部下）であると知っていて、管理する側の論理ではなく、「動く人」のメンタリティに焦点を当て、それをパフォーマンスにつなげている点です。
• コーチングに必要な人間観とは、相手は「答」をもっていると信じることです。 　人間には生きていく力があるし、可能性があります。
• デール・カーネギーは『人を動かす』（創元社）の中で、「人を動かす秘訣は、この世に、ただひとつしかない」と述べています。「この事実に気づいている人は、はなはだ少ないように思われる。しかし、人を動かす秘訣は、まちがいなく、ひとつしかないのである。すなわち、みずから動きたくなる気持を起こさせること――これが、秘訣だ」といっています。
• Ｙ理論は、「人は自発的に仕事をするし、自分が進んで立てた目標のためには統制したり脅したりしなくとも自らに鞭打って働くものだ。企業内の問題のために創造的になれる能力が備わっているのだ」という考え方です。