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川はどうしてできるのか 地形のミステリーツアーへようこそ 藤岡換太郎〈地球の謎解き〉シリーズ (ブルーバックス)
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さて、中国を形成する地塊の分布をみると、地塊どうしが接する境界のところで、黄河や揚子江が大きく方向転換していることがわかります。二つの大河はまさに、地塊の境界線に沿って流れているのです(図1‐2)。だから、源流が近くとも両者は 袂 を分かつことになり、それぞれ境界線に規制されて流路を大きく変えているのです。
北からヒマラヤ山脈に達し、乗り越えて南へと流れる川が、少なくとも4本はあります。西からスンコシ(Sun Kosi)川、ボーテコシ(Bhote Kosi)川、デゥブコシ(Dubh Kosi)川、アルン(Arun)川です。いずれも標高およそ6000mの山を越えています。実際に流れているのは4000mくらいのところですが、それでも富士山より高いところを乗り越えていることになるのです。これらの川は、山を越えた南で合流してさらに南へ流れ、インドの大河、ガンジス川に合流しています。
現在、ヒマラヤ山脈のエベレスト山頂のすぐ下には黄色の 縞模様を示す「イエローバンド」と呼ばれる地層が見られますが、これは衝突の前の海に生息していた微生物の死骸がたまったもので、ヒマラヤ山脈の構成物がかつては海の底にあったことの証拠となっています。同様に、標高6000mの山中にも、アンモナイトの死骸がたくさん詰まった垂直な崖が見られます。
このような、山の成立に先行して存在していた川のことを「先行河川」といいます。ヒマラヤ山脈における先行河川の存在は、1937年に有名な地質学者であり探検家でもあるウェイジャーによって初めて指摘されました。ウェイジャーはヒマラヤを訪れたときに、アルン川をみずから歩いた観察から、この結論を得ています。 いったんヒマラヤ山脈ができあがってしまうと、そのあとにできた川はどんな大河であれ、もはや越えることはできないのです。
アジアの三大河川といえば、 謎の1 にも登場した揚子江と、インドシナ半島で最大の河川であるメコン川、そしてチベットを源流としてミャンマーのマルタバン湾に注ぐタンルウィン川です。
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