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最貧困女子
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「世の中の、誰にも世話をしてもらえない人をこそ、親切に世話をしてあげたいものだなあ」 この言葉は、正田篠枝さんという女性の書いた『ピカッ子ちゃん』という童話集の中にあった。広島に落ちた原爆の被爆者たちをケアしてきた正田さんのこの言葉を僕は子供の頃に読んだが、これこそが社会的弱者への福祉・支援の根本精神だと思う。
また、資産・預金一切なしで所持金8000円(+闇金の融資金少々)というのは、間違いなく生活保護法における緊急保護を要する状態だ。同行する支援者に繋げば福祉事務所との交渉もできるはずだし、やはり僕が同行してもいい。問題は小島さんが元いた製菓会社の寮を出たときに転出届を出さず、住民票が寮住所のままということ。原則的に生活保護は住民票住所に住んでいることが受給条件となる。転出から1年未満なので職権消除(住民税未納などによって住民票が削除される状態)はないと思うが、改めて住所は必要だ。だがちょうどその頃は、住民票の置けるネットカフェなども現れた頃だったし、同じく住民票を置いてもいい女性専用のゲストハウスなどもある。ネットカフェの連泊に比べれば月次出費は抑えられるし、それこそ闇金から金をつまむのであ...
だが問題は、あの一目見て分かるほどの貧困状態にあった小島さんと、この充実している永崎さんたちが、ほぼ同じような所得層にあることだ。ここで、貧困女子という言葉が一般化していく中で抱いてきた違和感の根本が、いまさらながらにようやく分かった気がした。 永崎さんのような層が拡大すればするほど、同じ所得層にあるにもかかわらず貧困状態にある小島さんのような女性は、無理解と批判のターゲットになってしまうのだ。
湯浅誠さんが「貧困と貧乏は違う」と発言していたことがある。貧乏とは、単に低所得であること。低所得であっても、家族や地域との関係性が良好で、助け合いつつワイワイとやっていれば、決して不幸せではない。一方で貧困とは、低所得は当然のこととして、家族・地域・友人などあらゆる人間関係を失い、もう一歩も踏み出せないほど精神的に困窮している状態。貧乏で幸せな人間はいても、貧困で幸せな人はいない。貧乏と貧困は別ものである。そんな言葉だったと思う。
「じゃあいま、加奈さんにとって一番避けたいことは何?」 「決まってるよ。チエとカズ(ふたりの子供)が奪われること。あの子たちがいなかったら、私なんにも残らないもん」 このときの衝撃は、今も忘れることはできない。
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