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恐怖の2時間18分
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そもそも原子力発電とはどういうものか。一言でいってしまえば、通常の火力発電所が重油や石炭を燃やして水を沸騰させ、その蒸気で発電機のタービンを回しているのに対し、原子力発電所では蒸気を作る熱源を核燃料に求めているだけのことである。
一次冷却水は、高圧にして、循環させている。というのは、常圧(一気圧)では、水は百度Cで沸騰して、それ以上温度が上がらないから、炉心の熱を有効に運べないためである。「加圧水型」の名は、そこに由来する。 一次冷却水は、運転中は三百度C以上に熱せられて、循環している。
現実に起こったことは、表示ランプもプリンターも役に立たず、運転員らはただ右往左往するばかりという事態だった。パネルの向こう側は完全にブラック・ボックス化し、コンピューターと自動化によって守られているはずの安全性は崩壊したのである。なぜそういうことになってしまったのか。システムの中身がブラック・ボックス化して、容易に把握することができなくなり、人間はただ、無数のパネル表示の前で立往生しているというのは、まさに現代のカリカチュア(戯画)ではなかろうか。
事故をめぐる社会的な混乱である。いったいスリーマイル島原発で何が起きているかについては、アメリカ政府のNRC(原子力規制委員会)の専門家たちでさえ理解することができず、重大な判断ミスを次々に犯していく。そこへ、マス・メディアによる誤報があいついで、混乱に輪をかける。
危機管理という言葉が使われるが、その中身は、往々にしてタテマエ論に終っている。危機管理とは、抽象的な一般論では役に立たない。あくまでも実践的でなければならない。具体的事件の分析こそ、実践的な危機管理を考える第一歩である。
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