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ニッポンの思想 (講談社現代新書)
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に、「ニューアカ」は、やがて次第に「左傾化(あるいは左翼カミングアウト)」し、「ニューアカ」とは「ニュー赤」でもあったのだ(!)と思わずダジャレを言いたくなるような事態になっていくのですが(これも一種の「シーソー」です)、少なくとも登場した時点では、彼らの言説には従来の政治的イデオロギーの色は稀薄でした。ノンポリ、
シラケ世代などと呼ばれたりしていた当時の若者ですが、知的好奇心や向学心と呼べるようなエネルギーを、学生運動や受験戦争に使うのとは全然別に蓄え膨らませていた者も居たのです(たとえば恥ずかしながら筆者もそのひとりでした)。そんな連中の知的リビドーの向かう先として、浅田や中沢の本は格好の受け皿になったわけです。
「ニューアカ」と呼ばれた一群の学者たちに共通する特徴は、大きく言うと二つあります。第一に、彼らがおしなべて「海外(多くがフランス)」の硬派で難解な「現代思想」の紹介者・解説者という顔を持っていたこと、第二に、彼らの活動のスタンスが、各々の専門分野を超えて複数の領域にまたがる横断的(学際的) な様相を示しており、時には芸術やポップ・カルチャーといった「学問」外にまで広がるものであった、ということです。
ここで重要なことは、彼らが皆「アカデミズム」の人間、すなわち「大学人」であったということです。浅田は京大、中沢は東大、丸山は東大、今村は京大、栗本は慶応、宇波は東大、岸田は早稲田、上野は京大をそれぞれ卒業しており、すでに述べたように浅田と中沢は当時は助手、他の人たちは教授や助教授の地位にありました。それはつまり、彼らが専門領域について「一般向け解説」をしたとしても、それは東大京大を頂点とするニッポンの最高レベルの教育機関によって、その信頼性を保証されている=権威付けられているということです。
あくまでも、そこに名門大学の名前を冠した経歴や肩書きが付されていることで、一般読者は安心してその「わかりやすさ」を(時には、本当はわからなくても)受け入れることが出来たのです。
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