Top Highlights

• 彼らはアイデアを持っています。それを世界に広めたい、表現したいと願っています。そして、そのアイデアを聞いてもらうために、会社を立ち上げなければならないんです。
• ある製品の出来があまり良くない時、製造を止めて改良するか、それともそのまま出荷するのか。従業員はみんな見ています。上司がどのような判断を下すのかを。我が社ではいったん製造を止めて、出荷を延期してでも、その製品をより良くするという決断を下してきました。問題が起きた時、いったん止めて、解決するのです。そしてそのような模範を示すことで、従業員に伝えたいことを何でも伝えることができます。あなたが困難にぶつかった時、社員はみんな、リーダーがどう決断し、どんな価値観を持っているのか、じっと見ています。
• 国谷：現在、日本の企業は若返りを図り、社員にベンチャー精神を吹き込むことに大変苦労しています。どうすればあなたのようにできるのでしょうか？　それほど簡単なことではないでしょうが。 ジョブズ：そうですね、うちの会社では非常に優秀な人間を雇います。ですが、組織はとてもシンプルにしておき、自分たちが得意なことに焦点を絞ります。 　それは簡単なことではありません。焦点を絞るのはイエスということではなく、ノーということだからです。つまり、我が社ではたくさんのことをしないという決断をします。そして、自分たちが得意な、ごく限られたことに集中するのです。
• 私は子どもを撮影して、はじめてｉＭｏｖｉｅを使った時のことを覚えています。撮った映像を編集してつなげ、クロスディゾルブ機能を使い、字幕も入れて、好きな音楽を選んでサウンドトラックを編集し、３分の短い映画を作ったんです。それを妻に見せたら、感動して泣き出してしまったんです。
• 国谷：さっきあなたは、この業界に 30 年もいれば、自分はもういい年寄りだとおっしゃいましたが、 10 年後にご自分はどうなっていると思いますか？ ジョブズ：さあ、私のヘッドライトはそんなに性能が良くありません。どうでしょう。あまり考えたこともありませんね。私はだいたい１～２年、３年先のことまで考えます。アップルとして将来の計画もありますが、たぶん、４年先とか５年先とか、そうですね、３～４年先くらいが限界でしょうか。 　というのも、世の中は大きく変化するからです。こっちの方向へ進んで、５年後にはここにいたいと言うこともできますが、何か新しいことが（パチンと指を鳴らして） 起こると、こっちの方向は忘れ、あっちにいたいと思うことになります。ですから、これまで見てきた５ヵ年計画でも、一部は本質的な...