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• 何度もいうが、私はあの時代に生まれたことを不幸だったなどとは思っちゃいない。それでも、正しいことは知りたかったと思う。知らせてほしかった。いまも彼に伝えてほしい。正しいことはなにかを。そんな新聞記事のような 戯言 は、もうたくさんだ」
• そして、使命のほかに防衛大の四年間を通じて学びえたことがある。それは、人間には無限の可能性があるということ。未知なるものも、不可能に思えるものも、挑んで真理を勝ち得ないものはない。努力は、己れの人生を勝利者の生涯へと変える。そのことを痛感した。
• 世の中、正しいことは自分の信念のなかにある。自分で判断できなくなったら、人間は終わり
• 心のなかのわずかな亀裂、そんな目にみえないきっかけが肥大化して問題の数々を誘発していたため、原因と結果の因果関係を知るのが困難だった。
• あらゆる知識を身につけても、争いごとは不可避の問題として残りつづける。どこにその原因があるのだろう、美由紀は熟考する毎日を送った。やがてそれは、すべて心の問題だと気づいた。人々を嫌悪するにしろ、なにかしらの問題に頭をわずらわせるにしろ、結局は先方の事情ではなく、自分自身の心にこそ悩みを生じる理由が潜んでいるのだ。裏を返せば、この世のあらゆる諸問題は、人の心あってこそ生じることになる。