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検事失格
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教唆とは「そそのかす」ということで、刑法には、他人にある犯罪を働くようにそそのかした者は「教唆犯」になると定められているが、検察実務ではそのような者を「共同正犯」として起訴してしまうの
教唆犯になるくらいなら、それは「共謀共同正犯(自分は犯罪を実行していなくても、実行者とその犯罪を行うことを相談したりすると、実行者と同じだと扱われる)」として起訴できるというのが検察実務なの
やくざの抗争事件で殺人などの凶悪犯罪が起きるが、彼らは僕たちがうかがい知ることのできない独特の掟のある世界に身を置いている人たちなので、本当の動機など言うはずがない。言えば自分の身が危ないかもしれないのだ。だから、組ややくざの世界の掟に従った動機しかしゃべらない。 ややもすると真犯人でない者が「私がやりました」と身代わりに出頭してくるのがやくざの事件だ。 検事になった後、修習生か若い検事かが、やくざの取調べで「私は身代わりです」と「自白」させてしまったため、警察と検察庁が大騒ぎになったという話を聞いたことがある。 つまり、教官の言おうとしたところは「やくざに本当の動機を尋ねても意味がない」といったところだろう。少なくとも僕はこう解釈して
「上に弱いのなら下には強く出るな。下に強く出るからには上にも強く出ろ」 これが弱虫検事だった僕なりの筋の通し方だっ
「市川。あの無罪事件な、次席が高検に根回ししてくれてたんだぞ」 なんのことはない、次席があらかじめ電話で高検に「控訴は無理です」としっかり伝えてくれていたのだ。 僕は次席の大胆さとこまやかさの両方にすっかり敬服してしまった。 おそらく次席がしたことは検事正も了解、あるいは指示してのことだったはずだ。 このような上司に出会うと、部下は自然と「この人に恥をかかせるわけにはいかない」と思って、普段以上に極力失敗しないように注意して仕事をするようになる。 僕が徳島地検時代が一番充実していたと言うのは、何ごとにも動じないばかりか、部下をしっかりかばってくれる上司に恵まれたから
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