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新装版 ソフィーの世界 上 ―哲学者からの不思議な手紙
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自然のすべての能力を発揮して生きる人間がいる。人間は植物のように成長し、栄養をとる。動物のように感覚をもち、動く能力をもっている。けれどもまだそのほかに、まるで特別の、人間にしか自由にできない特質、すなわち理性で考える能力をもっている。 人間は神のような理性のひらめきをもっているんだよ、ソフィー。今、「神のような」と言ったけど、アリストテレスはあちこちで、自然界のすべての運動をスタートさせた神がいるにちがいない、と言っている。だとすれば、自然界の梯子のてっぺんには、人間ではなくて神がいることになる。 アリストテレスは、恒星と惑星の運行が地上のなりゆきを左右している、と考えた。けれども天体もまた何かが動かしているにちがいない。この何かを、アリストテレスは第一起動者とか神と名づけた。第一...
ソフィー。人間の形相には、アリストテレスによれば、植物の能力と動物の能力と、さらには理性という能力がそなわっているのだった。さてそこで、とアリストテレスはたずねる。人間はいかに生きるべきか? いい人生を送るには、人間には何が必要か?
「そうよ。わたし、その答えがわかったの。この惑星に人間が生きているのは、ここにあるすべてのものに名前をつけるためなの」 「なにそれ? そんなこと、考えたこともないわ」 「だったらママは問題ですねえ。だって人間は考える存在なのよ。ママが考えないのなら、ママは人間じゃないってことになる」
「植物と動物しか生きていないって、考えてみて。そしたらだれも、猫と犬とか、百合とグズベリーとかを区別できないわ。植物だって動物だって生きている。でも、わたしたちだけが自然をグループや階級に分類できるの」
最後にソフィーは、「いずれにしてもわたしたちは、世界はどうしてできたかを知ることはできません」と書いた。「世界は、大きなシルクハットから引き出された巨大な兎にたとえることができます。哲学者たちは、兎の細い毛をよじ登ろうとします。それは、偉大な手品師をその目でしっかりと見るためです。でも、見ることができるかどうかはわかりません。それでも、一人の哲学者の肩にもう一人の哲学者が乗って、またその上に哲学者が登って、人間の梯子をつくっていけば、哲学者たちはやわらかい兎の毛をどんどん登っていくのだから、いつかある日うまくいく可能性はかなりあると、わたしは思います。 追記 聖書には兎の細い毛の先っぽまで行ったらしい人たちのことが書いてあります。その毛はバベルの塔と呼ばれていますが、手品師は、自分がつく...
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