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• フォード・ピント事件をご存知でしょうか？　『訴訟』という映画にもなったのですが、フォード社がピントという小型車を開発しました。ところが、発売直前になって、設計上の欠陥が原因で、後部から追突されると爆発炎上することが判明したのです。 　経営陣は迷いました。設計変更して造り直すか、そのまま発売するか。もちろんそのまま発売すると事故が起き、損害を賠償する必要が生じてきます。ところが、賠償金と設計変更にかかる費用とを比較計算したところ、賠償金のほうが安いという試算が出たのです。 　そこでなんとフォード社はそのまま発売する道を選びました。案の定、衝突による爆発炎上事故が相次ぎ、尊い人命が失われました。そして賠償金は予想を上回る莫大な額になってしまったのです。 　この事例が物語っているのは、人命にかかわ...